尖圭コンジローマとは
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって引き起こされる性感染症です。HPV6型, 11型が関係しているとされています。主に性行為を通じて感染し、10~30歳代の若い世代に多く見られますが、高齢の人でも発症することがあります。このウイルスは非常に感染力が高く、感染者との性行為において60~80%の確率で感染するとされています。さらに、尖圭コンジローマは再発が多く、HIV感染のリスクを増加させることから、注意が必要です。
尖圭コンジローマの症状は、男性では陰茎、陰嚢、肛門周囲に、女性では膣や肛門周囲にカリフラワーのような突起物が現れることがあります。これらの突起物には通常痛みなどの自覚症状は伴いませんが、見えない場所にできることがあるため、気づかない人もいます。突起物の数が増えることで初めて発症に気づくことがあります。
尖圭コンジローマの 原因・感染経路
尖圭コンジローマの潜伏期間
尖圭コンジローマの潜伏期間は一般的に8ヶ月から1年とされていますが、個人差があります。
この潜伏期間のばらつきは、感染したウイルスの種類やウイルス量、個人の免疫状態などに影響を受けます。免疫力が強い人は、ウイルスに対抗する能力が高く、発症までの期間が長くなることがあります。一方、免疫力が低下している場合、発症までの期間が短くなることが多いでしょう。
尖圭コンジローマの症状
男性の場合、陰茎、陰部、肛門の周りに、ざらつきやブツブツのようなできものが現れます。
これらのできものは成長し、鶏のとさかのような突起物になることがあり、数が増えていきます。
女性では、膣や肛門の周りに同様のできものが現れます。これらのできものも男性と同様に成長し、増加するケースが多いです。
尖圭コンジローマの検査
尖圭コンジローマの治療
塗り薬
患部にイミキモドという塗り薬を塗布し、1ヶ月程度様子を見ます。初期の尖圭コンジローマや再発の予防に効果的です。イミキモドは免疫系を刺激し、ウイルスに対する抵抗力を高める作用があり、再発を防ぐ助けになることがあります。ただし、効果が見られない場合や病変が進行する場合は、他の治療法への切り替えを検討します。
電気メスによる切除
比較的大きな尖圭コンジローマや、密集した病変に対して有効な治療法です。電気メスを使用して、できものとその周辺の正常な組織を切り取ります。この治療は比較的迅速に行えますが出血のリスクがあります。また、再発リスクを低減することができる一方、ウイルスが体内に残存する可能性もあるため、定期的な観察が必要です。
液体窒素による治療
液体窒素を使用して、尖圭コンジローマを冷凍凝固させる治療法です。液体窒素は冷却効果を持ち、病変を凍結させて除去します。この治療は1〜2週ごとに繰り返し行い、病変を徐々に取り除いていきます。液体窒素による治療は病変が比較的小さく、局所的な場合に効果的です。再発のリスクがあるため、定期的な観察が必要です。