女性の膀胱炎:世の中で一番多い尿路感染症
世の中でおきる2大ばい菌感染症は大きく分けて2つ
肺炎 と 尿路感染症 のふたつになりますが、このうち尿路感染症は泌尿器科であつかう病気になります
尿路感染症のなかで一番よくおきるのが膀胱炎です。膀胱炎はとくに女性に起きやすく、こじらせるとばい菌が逆流して腎臓まで侵入して腎盂腎炎になることもしばしばあるので注意が必要です。
そもそも膀胱炎はなぜ女性におきやすいのか。女性は尿道が短く1cm程度しかありませんので陰部にいるばい菌が簡単に膀胱内に侵入できてしまうんです。
男性の場合は単純性の膀胱炎を起こすことはまれですが、これは膀胱にたどりつくまでに長い尿道があり、さらには前立腺があり、ばい菌が侵入しにくいです。ですので男性はなんらかの基礎疾患(前立腺肥大症、尿路結石など)がない限りは膀胱炎はおきません。
女性に起きやすい単純性の膀胱炎ですが、
通常の免疫力があればばい菌が膀胱内に侵入してきても、免疫で抑え込むことができますが、風邪を引いたとか、精神的ストレスがかかっている、肉体的ストレスがかかって疲労が蓄積しているなど体の不調があるとばい菌の増殖力のほうが勝ってしまって膀胱内にばい菌が繁殖して膀胱炎になってしまいます。
その他にも尿をずっと我慢しているような習慣がある場合、仕事上なかなかトイレに行く余裕がない場合なども、長時間膀胱内に尿がうっ滞することでばい菌が繁殖しやすくなります。普段から水はしっかり摂取して、尿は溜めずにこまめに排尿することがおススメです。
尿の流れをよくすることで、膀胱内にばい菌が繁殖する前に洗い流してしまうというようなイメージですね。
また、性行為後も膀胱炎のリスクが高まります。オーラルセックスで口腔内のばい菌が尿道に入りやすくなったり、摩擦により粘膜が傷ついてばい菌感染のリスクが高まります。さらには男性の陰茎が清潔ではないことも多々ありますので膀胱炎を起こしやすい女性はセックスの後には早めに陰部を洗うようにした方がよいです。
膀胱炎の原因となる菌の7-8割は大腸菌です。大腸菌は通常、肛門周囲や陰部にたくさんいる菌になります。その他にはクレブシエラ、ブドウ球菌、腸球菌などもあります。
膀胱炎をこじらせると、ばい菌が腎臓まで逆流して腎盂腎炎になりますので、頻尿、排尿痛、残尿感、下腹部が痛いなどの膀胱炎症状が出た場合には早めに尿検査をして、薬の治療(抗生剤)をしたほうが、より短期間で治ります。
あとは安静にして、体をあたためて、水分摂取をしっかりして治るのを待ちましょう。
膀胱炎中にやってはいけないこと
おしっこを我慢する事:膀胱内のばい菌がどんどん繁殖していきます。
セックス:ばい菌で弱っている外陰部にさらにばい菌がついて治るものも治らなくなります
薬を途中でやめてしまう:治ったと思って薬を早めにやめてしまうと実際にはまだばい菌が残っている事があります。耐性菌の原因になります。逆に長く飲みすぎても耐性菌ができる可能性がありますので、薬は処方された通りに飲みましょう。
万が一、膀胱炎をこじらせて腎盂腎炎になってしまった場合には…
38度以上の高熱がでて寒気がでたりします。背中が痛くなります。我慢しすぎると悪化してしまい、もともと元気な若いかたでも入院して点滴治療が必要になることがしばしばありますので症状が軽いうちに治療するのがおススメです。